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2022年8月18日木曜日

最終章 石拾い一人旅、兵庫の海1 〜すべすべ石とぐるぐる石〜 |思い出その百三|

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最終章|思い出その百三|


石拾いの旅|兵庫県の海岸1


2022年5月2日。

最終章、青森の石を超える石を探す旅。
前回はサラブレッドK、384と千葉、茨城で石拾いをした。インスタDMよりTさんに石スポットを丁寧に教えていただいたのに、完全に私の力不足で満足のいく石拾いはできず、また青森ほどの衝撃はなかった。
まずい。青森の石を超えることを早くも諦めかけている。希望を持てない。

こうなったらやけくそで、今まで頼りにしていた渡辺先生の「日本の石ころ標本箱」、インスタの石の方々の情報源も完全にシャットアウトして、当てずっぽうに、どこにも載っていない、誰も見知らぬ海岸へ行ってみようと思った。
無謀だ。無謀すぎる。
ただ、この暴挙には少しだけ理由がある。
それは数年前、私が青森へ一度石拾いに行ったことにより、津軽の石のはるか高い壁を感じて打ちひしがれているころ。
偶然に福井在住の友人TADAが石拾いに目覚め、彼が近場の海で適当に石拾いをしてみたところ、青森とまではいかないが、次いで有名な石の浜である新潟の翡翠海岸には届きそうなくらいの多様なで美しい石が見つかった。その後我々は福井で隠された石の浜をいくつも探しあてた。
その浜は、渡辺さんの著書には載っておらず、あまりネット上でも見かけない。SNSで福井在住の方が数人アップしており、お互いに情報交換する程度だ。
誰も知らないということは、まだ誰にも見つけられていない、いい石がたくさん落ちているということだ。
もしかしたら、そのような海岸がまだ日本にあるのかも知れない。石スポットとして認知されていない隠された石の楽園が、、。
そんな淡い期待がこの無謀な挑戦の始まりである。

といっても、そんなに遠くへ行くつもりはない。前回の茨城より北に行くならいっそまた青森か、北海道へ行くし、青森を越える石の浜を探しているのだから、青森に行ってしまっては意味がない。
あきらめて青森だけでずっと拾っていればいいじゃないかと言われたらその通りだが、なんかくやしい。あまりにも有名すぎる聖地青森を越える海岸をどうしても見つけたい。
ただ気づけば、日本海側は福井〜新潟まで、太平洋側は愛知〜茨城までいくつもの海岸で石拾いをしている。もちろん見逃している場所はたくさんあるが、主要な海岸は行ったつもりだ。
また、今までの経験上どう考えても日本海側のほうがいい石に出会える確率が高い。となると、
全く行ったことがないのは福井より南だ。山口、島根、鳥取は気になるが、ちょっと遠すぎる。だったら青森に行く。(どないやねん)
今回は電車の一人旅にしたい。
となると、そこそこの距離感でまったく石拾いに行ったことのない県があることに気づいた。
兵庫県だ。
海沿いに山陰本線が通っていて、最終目的地を決めて途中下車しながら石拾いをするには最適かもしれない。
当てずっぽうだとしても、兵庫まで行き石がまったくないのは絶望的なので、我らがGoogleMAPの力を借りて、山陰本線の駅近くの海岸をしらみつぶしに調べていった。調べると言っても単純で、衛星写真とスポットにアップされている海の写真を確認して石があるかどうか凝視するだけだ。
石、石、石いいい、、。

あり、、、そうだ、、、! おそらく。
もちろんアップされた写真のなかに石のためのカットは一枚もない。わんちゃんと海に訪れた時の写真、記念写真、釣った魚の自慢写真、、。私はその犬の足元や、魚の置かれた背景を見る。石はあるのかどうなのか。あればそれはグレーばかりの石ではないだろうな。大きさは手頃か。すべすべつるつるに磨かれているか、、。できるかぎり目を凝らし判断する。

よし!なんとかいけそうな、気がする!
念のため日本の石ころ標本箱をチェックしたが載っていない海岸ばかり。とても不安だが仕方がない、自分で決めたことだろうが。行くぞ!兵庫石拾いの旅に!

はい、まずは名古屋から京都へ、そして特急きのさきに乗り、城崎温泉へ。
もちろん今回は石のためだけに行くので、京都は素通り。
一瞬お昼は京都で、、と心が揺らいだが、これは遊びではない。石の修行なのだ。石拾いの時間には変えられない!
というかまだ朝7時30分。何を言っている。眠くて頭がおかしい。

特急きのさきの中。
駅でヨーグレットグミなるものを見つけてしまった。
そういえば今まで隠していたが私はかなりのグミ好きだ。昔から好きだ。チョコやあんこの甘ったるいのが苦手で、果物が好きだ。甘酸っぱくてジューシーなのが好きだ。だが果物はいつでもどこでも手に入るわけではない。
なので手軽にコンビニや駅で買える甘酸っぱいグミが好きだ。あとはハイチュウやラムネなどのケミカルなお菓子が好きだ。その中でも特にヨーグレットがめちゃくちゃ好きだ。ただし難点が一つある。謎に薬みたいに取り出すのがちょっと食べにくい。
しかしこのヨーグレットグミは、あのヨーグレットの味はそのままにグミと化し、めちゃくちゃいい感じの食感と食べやすさになっているではないか。これはいい。
またいつの日か、石とは全く関係のない、グミ選手権を行いたいと思う。なんかグミって石ころとか木の実みたいで、可愛い気もする。
そういえばTADAと石拾いをする時には、疲れた時のエネルギー補給のため常にバッグにグミを入れている。

城崎温泉駅の近く、車窓から。なんだかそろそろ海が近い感じ。

城崎温泉に到着。休憩。だが、まだ10時そこそこなので、ここでも昼食は食べない。正直お腹は減っているが、まだお店が開いていない。

また今度観光に来てみよう。温泉街には年配の方よりも、結構若い男女が多い気がする。そんな感じなのか、なんなのか。

お土産屋さんをちらちら見て時間を潰す。海老せんべいにかりんとう饅頭、いちご大福とほかにもいろいろある。あんこは苦手だが、せんべいは美味しそうだし、誰かにお土産と、ふら〜〜っと立ち寄って買ってしまいそうになる、

ぐっ! それだけはだめだ!

初日にお土産で荷物を増やすのは絶対にNGだ。なぜならこれから数々の海岸で拾う石で徐々にリュックの容量はなくなり重量は上がっていく。最終的にリュックは全て石となる。何度も言うが、遊びではない。これは石の修行なのだ。

さて、次に乗る電車が到着したようだ。誘惑に負ける前に早くここを立ち去らねば。


はやく出発してくれ。まだちょっと時間があるようだ。

乗った。車もいいし飛行機も便利でいいけど、やっぱり電車の旅が、一番石拾いっぽく感じる。景色を見ながら海を待つ。訪ねる未開の石の海岸、わくわくする。
今日は、泊まる民宿までの間に一箇所、途中下車して石拾いをしようと思う。Googleで散々写真を見たので石はあると思うが、ああ、不安だ。

海だ。海が見える。
兵庫の海沿いを走る山陰本線、ちらちら見える海岸が気になって仕方がない。ここにも石があるんじゃないか、ああ、あそこも見てみたいと。
じゃあやっぱ車の方がええやん。
はい、今度は車で行こうと思いますが、おそらくGoogleMAPを見る限りはちらちら見える海岸には石はなさそう。多分。多分、、。

はい、途中下車。この駅付近の海で石拾いしようと思う。
そしてごめんなさい。駅名や海岸名は伏せておきます。だってもしかしたら青森を越える隠された石の聖地かもしれないのだから。希望は捨てない。

すたすたすた歩く。
イカを干している。このあたり、イカが名産らしい。

海に着いた。駅から近くてよろしい。さて、どうでしょうどうでしょう。まず、石はあるのか。

海はとても綺麗。福井の海くらい。石は。

石は、、、。

あった!あったぞ、石。まずは石があったことに安堵。兵庫までやってきて、石が全くないのは残念すぎる。

まず、単調には感じない。駐車場ではない。ただし、濡れてカラフルに見える石たちには要注意だ。乾くと全然色が鮮やかでないことに気づき、密度も低めのスカスカの石になる可能性がある。
ご覧の皆さん、これは何度も何度も言っているぞ。今回で絶対覚えて欲しい。自分にも言い聞かせる。

まずは初めての海岸で石拾いができることが、純粋にうれしい。もくもくと拾う。

ころころころ〜。

この海岸の石、福井の石にちょっとだけ似ている気がする。福井からそう遠くはないので、ひょっとしたら石分布的に関係あるのだろうか。

ああ、石拾いが楽しい。
ただここで気をつけなければいけないのが、初めての海岸では、調子に乗ってそこまで欲しくない石まで拾ってしまうことだ。
気づくと手にはたくさんの石。ジップロックがパンパンになってしまうことがある。
冷静になれ。本当に気に入っているか?いいと思うか?似たような石をすでにたくさん持っているのではないか?
と自問自答して拾う量を抑える努力が必要だ。

むむむ、、難しい。この海岸、初見は良さげに見えたが、なかなか面白みのある石が拾えない。海岸全体の良さそうな印象と、いい石が拾えるかどうかは、また別なのだな。

そういえば、私のお気に入りの神奈川の海岸や、三重の七里御浜、静岡の御前崎海岸は、一見グレー一色の駐車場のようなものだが、よく見ると石は多様で面白い。

そして恐れていたことが現実となった、やっぱり乾くとこんなかんじになるのだ。あらら。

この中から、不思議で面白みのある石、驚くように美しい石との偶然の出会いをただひたすらに待ち拾い続けることは、とても根気のいることなのだ。

でも諦めない。この海岸のポテンシャルは結構高い方だ。

ころころころ〜。いしころ〜。

無心に石を拾い続ける。この海に私以外の人はいない。とても静かな時間が流れる。

もう12時前じゃないか。そういえば、お腹が空いていたはずなのに、駅に着いたとたん、海に直行してしまった。
一度お昼休憩にしようと思う。

一旦ここまでに拾った石たちをご紹介。
むむむ、、! いや、悪くない。
小さくてわかりづらいが、平べったくて層になっている石は、かなり福井の石に似ている。
あと、赤い石が結構ある。石の種類が全くわからないが、赤い。赤黒い。青森で拾った赤石ともちょっと違うような。どうなんでしょう。またいつの日かこの石について調べよう。
そして石英の混じった赤い石が水に濡れると綺麗。乾くとちょっともやっとしているが、まあ仕方がない。
左上と真ん中上には、二枚貝の貝殻のように何層にもなった石が2つ。こちらも福井の石に似ている気がする。

石拾いの続きはお昼の後。
ただ店が、全然ない。せっかくなのでおいしいご飯を食べたいのだが。

GoogleMAPでよーく探して、とある居酒屋のランチをいただくことにした。
ランチにしては刺身の種類と量が多い。なかなかおいしいじゃないか。この後も石を拾うので、ご飯は大盛り、エネルギーチャージ完了。

食べ終わったら、すぐに海岸へもどるぞ。
何度でも言う。これは遊びではない、石の修行だ!!

別のルートから海岸へ行くと、乾いた石が目の前に広がる。おー、駐車場じゃないの。無限グレー。
初めての兵庫での石拾いの興奮が、昼食後には落ち着き、本来の石の姿が見えてきた。ザフツーノイシ。

いや、この中にあるはずだ、目を凝らし心を研ぎ澄ませ石を拾えば、青森を越える石ころとの出会いが、
ある、あーーーーる!

ころころころ〜〜〜〜〜!!

ない。
嘘は言えない。青森を越える石はここにはない。
何を基準に越えるとかそう言った議論は必要ない。圧倒的に石の放つオーラが違う。
ただし、この海がダメというわけではない。今までにない石が拾えていることは確かだ。私は日本中のあらゆる場所で、石を拾い。石の地図を作りたい。そう思っている。(初耳)

昼食後の石拾いは、あっさりと終わった。
今日の最終目的地である宿のすぐ近くには、海岸があるようだ。石があるかどうかは、わからない。あると信じる。

海で拾った石|兵庫県の海岸1 1回目

では拾った石をあらためてご紹介。
まずは、昼食前に拾った石。
あれ、そんなに悪くない。もちろん青森は超えていないが、なしではない。面白味と、渋み、どこか趣深さがある。


海岸を俯瞰したような石。

ぺらぺらの黒い石。

赤黒い石。

層になった貝のような石。

赤黒い石2号。石英が混じっている。

赤黒い石3号。こちらも石英混じり。

ザフツーノイシ。なぜ拾った。


海で拾った石|兵庫県の海岸1 2回目

昼食後に拾った石。なんか多くなってる。なぜ。
昼食前の方がよく見える気もする。悪くはない、悪くはないのだが。

赤黒い石4号。なぜまた拾った。しかも大きい。

すべすべ石。これ地味だけど結構好き。

なんかよくわからないけどなぜかミイラっぽいと思った石。

ぐるぐる石。チョコクッキーのよう。これもかなり好き。

赤から白へしわしわグラデ石。まあ普通。


記念に瑪瑙。新しい海岸で、瑪瑙を見つけると、やはりここにもあったか、と特にいい感じでなくとも拾ってしまう。ここでもお初瑪瑙として持ち帰ってしまった。これよりいい瑪瑙、たくさん持っているのに。

今回は、以上。
すべすべ石と、ぐるぐる石がお気に入り。

次回は、引き続き、兵庫で石拾い。
まさか宿近くの海岸が石の宝庫だった!?
青森を超えてくれ!


ごきげんよう。





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石と海の思い出日記。

アーカイブページは下記より。

石と海


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