アナリティクス

2017年9月16日土曜日

隠された石の聖地、福井県越前岬で石拾い |思い出その二十三|

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石の人

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Toumo

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石拾いの旅|福井県越前岬





2016年6月25日。

前回、TADAに散々じらされた聖地での石拾いは、そこそこ良い石を拾えたものの、青森の壁はさらに高くなった気がした。
そして、石にとって重要なポイントの一つに、「密度」が関係していると感じた。何かぎゅっと圧縮されたような石は、さわり心地が良いのはもちろんのこと、すごく硬い(と思う)ので、ちょっとやそっとでは壊れない、永遠性のようなものを感じる。密度がないとスカスカして、すぐ傷がつきそうで、触り心地もザラザラしている。

TADAはまだ時間があると言う。それならば帰りのついでにあと1箇所、石スポットを探すことになった。あまり期待はしていなかったが海岸沿いに車を走らせた。

石スポット探しといっても、これがなかなか見つけられない。僕が駐車場と呼んでいるグレーの海岸はおろか、まず手頃な石が落ちている場所が滅多にない。そして、見つけたところで海岸に降りられるとは限らない。
それでもTADAと僕は目を凝らしながら、帰りの道を行く。

遠目、かすかに石の群れらしきものが見えた気がする。あまり良さそうでもないのだが、どこか降りられる場所はないかとそのまま車を走らせていくと、わずかに駐車できるスペースを発見した。どうやら海岸への道らしきものが見える。
車を停め、颯爽と進むTADA追いかける。

ザザーン。ザザーン。

海岸に出ると、目の前には荒々しい波と岩肌。そして大きめのグレーの石がゴロゴロ転がっている。全く石拾いの意欲が湧かない海岸。

それでも奇跡を信じてなんとなく拾い始める。


コロコロ、
コロコロコロー。

なにやら木を集めて燃やした跡がいくつかあり、こんなところでバーベキューなんか出来るのか?と思いながら跨いで石を探す。すると、何やら黒っぽい木のようなものが不自然に転がっている。さっきのバーベキュー跡の炭かな?と思ったがどうもおかしい。なんとなく手に取ってみると、こ、、これは!!
木とは思えない、ずっしりとした重み。
け、、珪化木!

そう、聖地青森の七里長浜で初めて出会ったあの珪化木である。
どうも。また会いましたね!

本当だ、これは珪化木だ、と驚くTADA。ちょっとうらやましそうに見つめている。
ふふ。やりましたよみなさん。ようやくTADAを出し抜きましたよ。

あっ、またあった珪化木。 
TADAも見つけたー。

どうやらこの海岸、珪化木がかなり落ちているようだ。ちっ。

形や色、触り心地等がいいとは言えないが、全く期待していなかった海岸だったのでちょっとうれしい。
しかし残念なのは、それ以外の石は全く魅力的ではないということだ。完全な珪化木探し。一点にのみ集中せよ!である。
これは、菖蒲沢海岸の瑪瑙探しに似ていて、かなりストイックなことになる。
ぼくの啓蒙したい石拾いは、様々な石の中から自分の心に響いたり、何か情景を思い浮かべたり、見立てたりして、時代を感じ、そして選別するといった趣深い趣味なのだが、全く魅力のない石の群れから珪化木のみを探すとなると、それは突然「作業」になってしまうのだ。
それにしても、落ちてる落ちてる。

コロコロコロー。

一通り拾い終わると、バスの時間も近づいてきたので帰ることにした。

さようならTADA。
でもなんだろう、また近々福井に行く気がするよ、、。


海で拾った石|福井県越前岬

福井県越前岬 石拾い

拾った石はこんな感じ。

福井県越前岬 石拾い

寄りのカット。

今回は手短に終わらせてしまったが、実際の石拾いもこんな感じである。
いやいやそれにしても分からないものだ。こんなところに突然珪化木の群れがあるのだから。やっぱりまだまだ僕の知らない石スポットは日本全国に散らばっていて、石の人が未踏の聖域が存在するのだろうか。少し、今回の件で希望が持てたような気がする。


次回思い出その二十四は、悪夢再び?
石をほぼゴミとしか思っていない、地元民マシューと三重で石拾い。





〈石ニュース〉2017.9.16



ドイツの石の人、ヨーガンレールの作品と、
長きに渡り拾い集めたババグーリ(瑪瑙石)の展示。
11月15日まで。行きたい。




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石の人について

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今回の石の人のおすすめ

(2022 10/3)

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2017年9月5日火曜日

隠された石の聖地、福井県大味漁港で石拾い |思い出その二十二|

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石拾いの旅|福井県大味漁港





2016年6月25日。

6月5日に、TADAと福井の海で石拾いをしてから、わずか2週間。
僕はまた福井駅に立っていた。

今日は待ちに待った、福井最後の聖地へ行くためである。
それは、散々TADAにじらされてきた、念願の石スポット。

福井県大味漁港 石拾い

これが、伊豆の菖蒲沢海岸の石拾いで思うようにいかず、打ち拉がれた帰りに、TADAから送られてきた写真である。

それにしても、さすがに福井に行き過ぎている気がする。
TADAとの再開も、新鮮さなど全くある訳もなく、なんなら名古屋の友人より頻繁に会っている。石拾いが共通の趣味となり、これほどTADAと会うとは思ってもみなかった。

最近よく考えることは、TADA以外にも、潜在的に石の人である可能性はどれほどあるかということだ。
例えばこの時期、サラブレッドKは惜しいところまできていて、後一歩で石の人の仲間入り、という感じだがまだ一歩足りない様子。

石に興味が芽生える人と、そうでない人。一体どんな違いがあるのだろうか。そもそも人はみな遅かれ早かれ石に興味が出るのだろうか。いや、そのようには思えない。
石に気がついていないだけなのか。先天的なものなのか。このことについては、またどこかで書こうと思っている。

それより、今日の聖地の話だ。
日帰りなので、たっぷり時間があるわけでもない。TADAの車で福井駅を出発し、早速石スポットへ。
目指す場所は、大味漁港。全然聖地っぽくない名前。正直ここの海岸名を日記に書きたくはなかった。なぜなら、渡辺先生や、宮田先生の石の本などには、載っておらず、TADAが自力で、石拾いができそうな海岸をネットで片っ端から探して行き着いた、努力のたまものだからだ。

石拾い」や「石ころ」で検索すると、石の人たちのブログがそこそこ出てきて、アップされているのは、石や漂流物の写真や、海岸の写真。だが、肝心の海岸名は伏せられている。

石スポットとは、石の人のテリトリーであり、聖域である。
菖蒲沢海岸や、七里長浜など、石を本格的に拾おうとする人なら一度は耳にする海岸とは違い、主に地元で、ドライブがてら車を停めては石の様子を見て、また車を走らせるといった地道な努力の上、発見した自分だけの石のスポットを、誰にも教えたくないのは当然だ。

七里長浜や九十九里浜のように、延々つづく海岸はちょっとやそっとでは良い石がなくならず、新しい石も打ち上げられるのだろうが、菖蒲沢海岸のように一度に全てが見渡せるほどの海岸だったらどうだろうか。しかも、そこがもし他の石の人が知らない場所だとしたら。
考えただけで恐ろしくなる。瑪瑙や珪化木など、希少性のある石の場合、乱獲されるだろう。そしてそれらの石は、石の人でなくとも、ビーチコーマーにとってもお宝のなのだ。

そんな、大げさな。海の石なんてどれだけでも流れ着くだろう。拾っても、また川から海へ流されてきて、どんどん増えるからいいじゃん!と思う読者の方もいるだろう。しかし、現に菖蒲沢や福井の浜地海水浴場、翡翠海岸など、あらゆる海岸から良い石や珍しい石達が姿を消していっているのだ。
この話を友達にすると、「気のせい」だとか、「被害妄想」だとか言われるが、どう考えても減っている気がする、、。
そして被害者の顔をして言っている僕も、そしてTADAも、乱獲者の一人なのだ。
石の取り合い、、。心穏やかな者のみが趣味にする石拾いと思っていたが、ここにも争いがあったとは、、。
ただし、一般の人にとっては、全く何を言っているのか意味が分からないはず。今も昔も、ただただ同じよ~~な大量の石が転がる海岸なのだ。This is a parking space.

少し語りすぎてしまったが、TADAが既にインスタに海岸名を上げていることもあり、今回は海岸名を伏せないことにする。

福井県大味漁港 石拾い

福井駅から車を30分ほど走らせ、大味漁港へ到着。
この日は生憎の曇りのち雨。グレーの海になってしまった。
晴れていたらそれはもう、美しすぎる海なのだ。

福井県大味漁港 石拾い

前々回くらいから、聖地聖地と妄想だけが膨らみ、海岸の石風景はさぞかし素晴らしいのだろうと思っていたが、何のことも無い、少しカラフルな、駐車場である。

まあ、石の海岸とはそんなものである。石の本や、インスタグラムなどの、厳選されて加工された素晴らしい石達を見て、おお!この海岸は素晴らしい!この海にはこんな石がごろごろ転がっているのか!と思ったら、そんなに甘いものではない。海岸に行くと、痛い目に会う。基本的には、何の変哲も無い海岸が大半なのだ。

ついに雨が、ポツリ、ポツリと降り始めてきた。初めての海岸、そして石の見極めを妨げる雨。ベリーハードモードに突入である。
と、ちょっと僕が戸惑っている間に、もくもくと拾い続けるTADA。一度来ているせいか、こなれた様子。
まてまてまてーい!TADAよ、今日は負けんぞ!

よくよく目を凝らして、石たちを見てみると、、、。
おっ!瑪瑙か? 大きい透明のこれはなんだ? 結晶!水晶なのか? またここにも!
どんどん見つかる瑪瑙や結晶のかけらのようなもの。この海岸、とんでもないかもしれない、、。
しかし、なかなか良い形が見つからない。瑪瑙や水晶はよほど固いのか、他の石に比べて研磨されていないことが多いのだ。
他には、福井特有の地層なのか、ミルフィーユ状になった平べったい石がたくさん落ちていたり、海牛のような形の、淡くカラフルな石や、つや消しマットでボコボコとしたフォルムの石等、今までほとんど見かけることのなかった石達が、大量に落ちている。めずらしいので、他の海岸ならば即拾うところなのだが、この海岸にはそこら中にあるので、どれを拾うかとても悩まされる。

さらに雨に濡れて真価がいまいち分からないため、少しでも良いと思ったらとりあえずキープする。おかげで、肩にかけたポーチはパンパンで、今にも破裂しそうだ。
僕がうーんうーんと真剣に悩んでいる隙に、何のためらいも無く石を拾っていくTADA。
しかも、当てずっぽうに拾ってポーチパンパンになっている僕とは違い、スッキリスマート、お目当ての石だけを拾っている(ように見える)。
うおおおおおおおおおおお!!
TADA!何だそのすました顔は!所作は!石の人として、僕よりも高みにいるというのか!
むむむむむむむむむむむむ!!

と、一時間ほど拾ったあたりでお腹が空いてきたので、
TADAおすすめ、福井唯一のオシャレカフェ(失礼)に行くことに。

少し車を走らせると、すぐに到着。
店内を除いてみると、地元の方はもちろん、観光客やツーリングされている方々がいるようだ。なかなかの人気店じゃないか。

福井県大味漁港 石拾い

店内からウッドデッキに出られるようになっていて、いい風景だ。曇で残念だが、晴れると夕日がとても綺麗らしい。福井へ観光した際には是非おすすめしたい。(と言っておいて何の情報も載せない)
夏野菜カレーのようなメニューを食べた気がするが、記憶が曖昧すぎて悲しくなってくる。
一時間ほど石拾いをしただけだが、ほどよい達成感と真剣な石チョイスで疲れた体に、カレーとジュースが染み渡る。

福井県大味漁港 石拾い

お腹も満たされ眺めていると、日本海の荒々しい波が見える。素晴らしい眺め。海岸には、どうやら石もありそうだ、、、。
石、、、、。 石、、、、!!!!

TADAと僕の頭の中は石でいっぱいになった。

速攻でカフェ横の海岸へ向かう二人。行ってみて気づいたのだが、カフェの店内から丸見えだ。客の会話が聞こえてくるようだ、、。
ひそひそ、、。あの2人組、何してるのかな、、。さあ、、。え、、。石拾ってる、、。

しるか!!!!
石の人はその程度の陰口(言われていない)でへこたれたりはしない。
ましてや、石聖を目指す者ならば、なおさらである。

またしてもおかしな妄想ワールドに突入しそうなので、大味漁港に戻り、石拾いラウンド2を始める、、。
しかしまだ雨が降っていて、引き続き石が見分けられない、、。あっという間に時間が過ぎてしまった。


海で拾った石|福井県大味漁港

福井県大味漁港 石拾い

拾った石は、こんな感じ。
ちょっと、拾い過ぎたかな、、。
今までで一番多いかもしれない。

福井県大味漁港 石拾い

福井県大味漁港 石拾い

寄りのカット。一枚じゃ収まりきらない。

むむむ、、。写真を見て気づいたのだが、まったく魅力が伝わっていない気がする、、。
なので今回は特に良かった石を個々に紹介することにする(余計なお世話)。

福井県大味漁港 石拾い

マットな手触りが心地よいしわしわな石。

福井県大味漁港 石拾い

小船のように可愛らしい石。

福井県大味漁港 石拾い

今回のナンバーワン。蛹のような形。中が透き通っていて生命を感じる。

福井県大味漁港 石拾い

おまけ。どんぐりみたいな石。

このように、いままで拾ったことのない、変わった石、不思議な石、綺麗な石など、様々な石が拾えた。
しかしなぜだろうか。満足度100%とは言えない、、。
青森で拾ったほどの満足度が、、やはりない。またしても、超えられない、青森の壁。
僕は、このあたりから、石で一番重要なのは「密度」ではないかと考え始める。そして表面に繰り広げられる模様の展開と、時代。(それっぽい言い方)

こんな感じで、念願の聖地での石拾いを終えた。いや、聖地ではなかったのかもしれない。
しかし、福井石の旅はまだ終わらない。

次回思い出その二十三は、引き続き、TADAと行く石拾いの旅。
まさかこれは!ふらりと立ち寄ったその海岸は、珪化木の隠れスポット。






〈石ニュース〉2017.9.4


関西発、石をテーマにした展覧会。
行きたい。


石のクッション。
欲しい。



※思い出その二十一の訂正(訂正完了!)
思い出その二十一の写真と表記が違っていた箇所があるとTADAより指摘を受けました。またどこかで修正しておこうと思います。(訂正完了!)そろそろ僕の記憶も限界に達してきていると痛感しておりまして、記憶が完全になくなってしまう前に、もう少しペースを上げて日記をつけていければと思います。
みなさま、このなんの得にもならない石日記を超絶暇なときにだけでも見て頂けて幸いです。そしてそして、最近なにやら石にまつわる話を耳にする機会が増えて参りました。これは石ブームの到来なのか、それとも何か偶然の重なりなのか、僕の虚言なのかは分かりませんが、世の中が石に目を向ける日がやってくるのでしょうか。あれだけ石拾いを啓蒙したいと思っていた僕ですが、あまりブーム的なものが来てしまうと、少し、秘密感がなくなってしまい少し寂しい気持ちになってしまったりしてしまうかもしれません。どないやねん!と突っ込み入れられそうですが、やはり石拾いというものは、周りから少し変な人扱いされつつも、密かに拾いに行くというのが楽しみなのかもしれません。ではでは次回の日記でお会いしましょう。



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