アナリティクス

2018年3月5日月曜日

東京行き途中下車、静岡県沼津市千本浜で石拾い |思い出その二十六|

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Toumo

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石拾いの旅|静岡県沼津市千本浜





2016年8月13日。

前回はこれといっての特徴のない石拾いになってしまった。
TADAや384やKのいない、淡々と石拾いをする日記を読んで、読者が楽しめるのだろうか。いつも書きながらそう思う。ただひたすら問答しながら石を拾う人の日記。石拾いの喜びと孤独、石の趣をほんの少しでも感じて頂ければ本望である。

さて今回は、東京デザイナー、サラブレッドKと石拾いに行く約束をしたので、東京に向かうことに。東京から電車で数時間でいける石拾いスポットは、静岡、神奈川、茨城、千葉といったところだろうか。静岡、神奈川は東京に行くついでに何度も石拾いをしているので、選択肢は茨城か千葉になり、特に理由はないが千葉に決定。
渡辺一夫先生の本、「日本の石ころ標本箱」では千葉は石なし県として紹介されているのだが、一カ所、太海の海岸には石があるらしい。

本日はサラブレッドKと東京で合流する。そして明日、太海の海岸へ向かう。
そこで僕は、名古屋から東京までの道中逃すまいと、静岡辺りの石拾いを計画した。
菖蒲沢海岸へ三度目の石拾いも頭を過ったのだが、河津駅への往復と徒歩と石拾いは、さすがに東京に着くまでに疲れてしまうのと、千葉での石拾いの前に石の聖地でお腹がいっぱいになってしまいそうな懸念もあったのでやめておく。
程よい海岸、程よい海岸、、。

「日本の石ころ標本箱」とグーグル画像検索を併用し、
静岡県沼津の千本浜海岸に行ってみることにした。実は一度、沼津で石拾いを試みたことがある。
二年ほど前、僕がまだ石拾いを本格的に始めていない頃、384とサラブレッドKで沼津あたりに旅行へ行ったことがある。
その際、ついでに石を探していたのだ。

何の知識も無いまま適当に海岸に飛び出したのだが、そこには石ころと呼べるものは一つも落ちておらず、茶色っぽい湿った砂一面の海岸だったのを覚えている。
しかし今は無敵の「日本の石ころ標本箱」がバックに常備されている。同本によると、どうやら千本松原の海岸に石がごろごろあるらしい。10kmも続く松林と駿河湾が一望できる、有名な海岸だ。


そんなわけで、千本松原最寄りの駅、片浜駅に向かうことに。


ゴトンゴトンゴトン。

着いた。
片浜駅からほど遠くない距離に千本松原公園を見つけ、公園内を通って海岸に出る。

静岡県沼津市千本浜 石拾い

静岡県沼津市千本浜 石拾い


おお!石!石!石!
本にある通り、一面石で構成されている。そしてどこまでも続いている。

今は夏だが、ここは海水浴場ではない。
数少ない石拾いに適した海岸だ。
よーし!石を拾うぞー!拾いたい放題だ!!

コロコロコロー
コロコロコロー!

静岡県沼津市千本浜 石拾い

コロー、、。

言うのも憚られるが、また例の「駐車場系」である。
ああ、本当、一体自分は何をやっているのだろう。
さっき無数の石にテンションあがる言うたやん。

渡辺先生。ずっとこんな事を言っていたら叱責されるだろうか。まだまだ、あなたのような境地には達せられないひよっこ石拾い人でございます、、。

コロコロコロー、、。

しかしよく見ると今回はただの駐車場ではない。(どないやねん)
変成岩がとても多い。変成岩とは、堆積したり、マグマが固まってできた石が、温度や圧力などの変成作用を受けてできた石のことである。その作用により、うねうねとした不思議な模様が生まれるのだ。

コロコロー、、。

それにしても暑い、、、。
やはり真夏の石拾いは過酷だ。晴天により降り注ぐ日光、ジリジリと石が跳ね返す熱。吹き出る汗。石、石、石拾いが辛い。何の修行だこれは。

冬は寒くて、切なさと寂しさが襲ってくるのだが、石拾いのシチュエーションとしては、実はそれくらいの方がいいのだ。なぜだろう。そのほうが石も少し良く見える気がする。凛としているというか、引き締まっているというか。

灼熱地獄の中、ふらふらになりながら熱された石どもを拾い、ジップロックに詰め込む荒行は本当につらい。
そして石拾いが過酷になると忍び寄ってくる、いつものあの感情。「一体、自分は何をやっているのだろう。」


コロー、、。
ロー、


コ、、、。

、、、、、。

気合いだーーーーーーー!!!!!

コロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロ
コロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロ
コロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロコロ!!!!!

死ぬ。
死ねば拾えぬ。
だからやめる。

よく考えたら、今日は明日行く千葉の石拾いの寄り道に過ぎない。



海で拾った石|静岡県沼津市千本浜

静岡県沼津市千本浜 石拾い

拾った石はこんな感じ。

静岡県沼津市千本浜 石拾い

寄りのカット。

あれ?あれれ?
なんか、、いいぞ。そこそこいいぞ。
暑さで、頭がおかしくなっていたのだろうか。

なんだかとてつもない渋さがある。何百年も昔に作られた仏像のような味がある。ような気がする。そもそも石は何万、何億年かけてできた物質であるから、当たり前と言ってしまえばそれまでなのだが、こいつらグレーでありながら全く駐車場的ではない。(前言撤回)
素晴らしい。拾っている最中はそうでもなかったが、持ち帰りしばらくして、なぜか良く見えてくる石。石は時間と見る人の心象によって如何様にもなってしまう。不思議なものだ。

そしてひとつ、とびきり気になる石を拾ってしまった。

静岡県沼津市千本浜 石拾い

こちら。
白い線が走る石はよく見るのだが、こやつ、黒い線が走っておる。そしてどこか禍々しさがある。闇のネットワーク、黒い雷。ダークマター。中二病のような石だ。
そこに不思議な美しさと、何とも言えないすべすべとさらさらの間のような触り心地がある。
ああ報われた。辛い石拾いではあったが、そのくらいでないと、いい石には出会えない。
修行じゃ。修行じゃ。



次回、思い出その二十七は、
いよいよサラブレッドKと合流、千葉の石拾いへ。





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石の人について

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今回の石の人のおすすめ

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アーカイブページは下記より。

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