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2017年1月7日土曜日

石拾いの旅、青森県平舘の海岸 |思い出その十三|

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石の人

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Toumo

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石拾いの旅|青森県平舘の海岸





2016年5月2日。

「石と海」は、拾った石と写真を頼りに半年以上前の記憶を辿って書いている。
すっかり忘れていたが、TADAとの富山、福井の二日間は、長い石の旅の序章に過ぎなかったのだ。
福井でTADAと別れた翌日、すぐに東京に旅立つ。

その理由は、伝説の地、津軽で石拾いをするためだ。 菖蒲沢を聖地、福井を隠された聖地とするならば、津軽の海岸はまさに「伝説の地」が相応しい。津軽の石は錦石と呼ばれ、格が違うらしい。

そして、3日間に及ぶ青森の石の旅の後、東京から名古屋への道中、神奈川、静岡でも石拾いをする計画になっている。
これはもはや修行だ。石聖(石の人の向こう側の境地)になりたいがあまり、生き急いでいるのか。
リュックの石の重みにつぶされて死ぬか、石恐怖症になるのがオチだ。

予定をざっくり書くとこんな感じ。
(石)は石拾いをした回数。

●4/30福井(石2) ●5/1福井(石2)→名古屋  ●5/2名古屋→東京  ●5/3東京→青森(石2) ●5/4青森(石1) /5青森→東京  ●/6東京→神奈川(石1)→静岡(石2)→名古屋

最終日の5/6がきつそうだ。青森で石拾いした後、はち切れんばかりの石リュックを背負って三カ所の海岸を巡ろうとしている。なんだか涙がでてきそう。

それでは、東京へ旅立つとしよう。

今日は久しぶりにK&Sとお酒を呑み交わす。
K&Sは、新潟や雄島に一緒に行った東京のデザイナーだ。

約束の時間まで、少しあるので多摩川に石拾いでも、、と一瞬思ったが、これからの石修行を考えると、余計な石を序盤から持ちたくない。
適当に展覧会等で時間をつぶし、Kと合流した。Sは多忙のため、後ほど合流。
K&Sと久々に呑みかわす酒。東京で二人の頑張りを聞いていると、自分も頑張らなくてはという気持ちになって、良い刺激になる。
仕事の話や、趣味の話も一通り話した後、Kが尋ねてきた。
「ところで、青森はどこの海岸に拾いに行くの?」

まってました、その質問。
青森には必ず行きたい海が、二カ所ある。綱不知海岸と、七里長浜。
僕の尊敬してやまない石界のレジェンド、渡辺一夫先生著の[日本の石ころ標本箱]、ただの石ころ拾いの先人、宮田珠己先生著の[いい感じの石ころを拾いに]、津軽のすばらしい石の数々をまとめた[石はきれい、石は不思議]などに共通して出てくる、伝説の海岸なのだ。
渡辺先生は、宮田珠己先生とも対談されているし、[石はきれい、石は不思議]の展示やワークショップにも参加されている。恐らく石の人の頂点に君臨されているお方なのではないか、、。いつの日か、お会いしてみたい。
僕は石拾いを初めてまだ二年弱で、審美眼を養えてないのだが、著書の中で紹介されている青森の石達を見ても、いままで拾ってきた石と比べて異質に感じる。確かに菖蒲沢海岸も良い。福井も素晴らしい。でも、その二カ所とは違う、何かただならぬオーラを放つ石達。それを写真からでも感じ取ることができる。

その美しい津軽の石を、「錦石」と呼ぶらしい。津軽錦石。ああ、なんといい響き、、。

1日目に綱不知海岸、2日目に七里長浜行きが、決定。
3日目は十和田市現代美術館、青森県立美術館に行くことにした。

明日、早朝より東京を新幹線で出発、3時間かけて青森に行く予定なので、酒もそこそこに早く寝ないと完全に寝坊する気がする。寝坊の常習犯であるKがメンバーにいるのも、なにか嫌な予感がするので、Kの家に泊めてもらう事に。Sはまあ、、起きられるでしょう。とかいって自分が寝坊したりして。。と初めての青森にそわそわしながら眠りにつく。

スヤスヤスヤ〜。

翌日。2016年5月3日。

僕、Kともに起床。すかさずSにもLINE。既読。起きている、良かった。
お風呂へ入り支度をし、東京駅へと向かう。

さあ、Sと合流するぞ!しかし、Sはまだ到着していない。
少しばかり時間に余裕があったので、Kと朝ご飯のカツサンドを買っていた。
そうこうしている間に、Sが到着したらしい。しかし、合流しようとしていた改札にSがいない。発車まであと5分。こまった。Sの切符もこちらが持っている。昨日渡しておけば良かった。モタモタしていたら、あと4分、3分、と発車時刻が刻々と迫る。Sに、駅員に事情を説明して改札を抜け新幹線で合流するように告げ、僕らもダッシュ!たのむ、S、間にあっていてくれ!青森行きの改札、ホームは伝えてあるはずだ!おおおおお!

プシュー。

なんとか乗れた。。ギリギリセーフ。
あとはSと合流するだけ、、。序盤からハラハラするなー。
新幹線が発車すると同時くらいにSからLINEが。

「乗れませんでした(; _ ;)」

え。

まじか。まじなのか。

、、、。

まあ、しょうがないよね、駅員さんに説明して、なんとか次の新幹線に乗れたみたいだ。
またしても、新潟の時同様、Kと二人の旅が始まる。
旅は移動中が楽しかったりする。そこに三人そろってないのが結構悲しい。
Sを想いながら、カツサンドを食べる二人。。石の話しながら、新幹線は青森へ向かう。

プシュー。

新青森駅に着いた。小一時間ほど遅れ、Sが到着。
さっそくレンタカーで出発、綱不知海岸を目指す。
12時近くになっていたので、途中でランチをすることに。

平舘辺りで、道の駅らしき施設を発見。
車を停めて、近くにご飯屋さんがないかネットで検索する。
一件、気になるワードが飛び込んできた。「イカハンバーグ」。
なんだイカハンバーグって。外観写真はペンション兼お食事処のような佇まい。そして、なんと!近くに海岸があるではないか。腹ごしらえした後、青森初石拾いと行きますか。

お店に着いたら、もちろんイカハンバーグを注文して、むしゃむしゃ。(ごめんなさい。いつもの事ながら、写真が全然ないのです、、。)
おいしい。
お腹がだんだん満たされてくると、僕はもう、石のことで頭がいっぱいになった。
そろそろ、、行きますか。

お食事処のすぐ裏あたりに、海岸がある。これほどスムーズに石拾いをさせて頂いていいのでしょうか。いつも、海岸へは困難な道のりが待ち構えているというのに。

海岸に降り立つ。

石!石石!
あれ、石。。

あまりない。

そう。大半の海岸に石はない。基本はコンクリートで護岸されており、それ以外は砂浜、干潟、岩場の可能性もある。糸魚川海岸や菖蒲沢海岸のように石ころだらけだったり、福井の隠された聖地のような、砂利浜に程よく石ころが落ちている海岸は、稀なのだ。
そんな中、この平舘の海岸、一応少しは石が転がっているではないか。

僕は、美しい、趣深い、不思議な石等を探して拾っているのだが、もう一つの理由として、石を「思い出」として拾っている。
なのでこれといって、いい石がなくとも、2、3個は持ち帰ることにしている。
実はそういった理由のほうが、一般の方々が石を拾う理由には、しっくりくるのではないだろうか。石でなければ、貝やシーグラスを思い出に持ち帰る人も少なくないだろう。


→いままでに拾ったいろいろな石


海で拾った石|青森県平舘の海岸

石拾い 海 青森県平舘

これが拾った石達。悪くない。
瑪瑙や珪化木、翡翠といっためずらしさもなければ、色鮮やかでもなく、表面の展開も少ない。しかしこの白やグレーは上品で、とても美しい。
最近いろいろな石を見すぎたせいか、これくらい淡白な石の方が侘び寂びがあるんじゃないかと思う事がある。これはいい発見かもしれない。
なぜなら、これからは一見地味に見える石でも十分に楽しめるということになる。魅力があまりないと決めつけていた海岸も、素晴らしい石拾いスポットになり得るのだ。
先ほどお話しした渡辺一夫先生の本には、何の変哲もない石も、全て魅力的だと書いてあった。気がする。


というわけで、今回気になった石をご紹介。

石拾い 海 青森県平舘

箸置きのよう。


石拾い 海 青森県平舘

きな粉棒のよう。


石拾い 海 青森県平舘

こ、これは、、。ドラク◯のよう、、。
あまりこういう見立てはしたくないのだが、気づいて手に取ってしまったら、もう最後、あれにしか見えない。


石拾い 海 青森県平舘

ランダムに置いたカット。

ちなみにK&Sは、一見何の変哲もない石だけに、眺めていただけで拾っていない。
まだまだ君らには分からない世界なのだよ。

TADAなら、、どうしただろうか、、。
ぐっ!、、。考えるのをやめよう。

落ち着け落ち着け、、、これはほんの序盤。
本日のメインディッシュはもちろん綱不知海岸。

次回へつづく。





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石の人について

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今回の石の人のおすすめ

(2022 9/18)

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おすすめの石の本

なんとなく気になる本

石拾いが趣味になっていた。

石を求めて旅に出た。

孤独と不思議と癒しが織りなす

石と海の思い出日記。

アーカイブページは下記より。

石と海