アナリティクス

2018年6月17日日曜日

石なし県へ、千葉県太海の海岸で石拾い |思い出その二十七|

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石の人

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Toumo

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石拾いの旅|千葉県太海の海岸






2016年8月14日。

昨日は、名古屋から東京までの道中、沼津で石拾いをした。
今日はサラブレッドKと千葉で石拾いをする。場所は千葉太海の海岸。
渡辺一夫先生著の日本の石ころ標本箱には石なし県とまで書かれているほど千葉には石がないらしい。そんな中、辛うじて石を拾えるのが太海の海岸というわけだ。

東京から近いと思いきや、北端にある海岸なのでなかなかの距離。
石の拾える海岸は、どこも行きにくく、人里離れた場所にある場合が多い。
街だったとしても、ほぼ観光地化はされておらず、寂しいくらい人が歩いていない。そういった場所に石の海岸があることが多い。
いや、それがなんとも、石拾いの絶妙な孤独感を演出してくれる。

千葉県太海の海岸 石拾い

海岸最寄りの駅に着くと、自然に溢れた町が広がっていた。やはり、観光地化はされていない。海岸まで2km程歩く。真夏日だけあって噴き出る汗。日頃運動をしていないので、すぐばてる。この後の石拾いに影響しないといいが。

千葉県太海の海岸 石拾い


ふるさとの風景。木々や花が美しい。
話は逸れるが、石好きは木の実も好きになる傾向がある。とインスタグラムを見ていると気づく。やはり同じ自然物である草木や花は、もちろん好きになって当然と言えばそうなのだが、その中でも石ころのようにころんとした木の実には惹かれずにはいられない。大きさや色、形がそれぞれ微妙に違う。そして実になるプロセス自体が神秘的で、自然の恵を感じる。

そんなことを道中考えているうちに、海岸に到着。

千葉県太海の海岸 石拾い


とてもいい風景。割と小さな海岸だ。
海岸は汚くないが、思ったよりも水質が良くなかった。電車に揺られ、遠路遙々やって来たということもあり、もう少し綺麗な海かと勝手に期待していた。
太平洋側の海は奇麗でないことが多い。今まで行ったことのある場所では、和歌山の串本、白浜ぐらいかと思う。もっと東の方に行けば他にもあるのだろうか。

海岸にいるのは、テントを立てて海遊びをする家族が何組か、よく分からないが散歩か暇つぶしのおじいさんやおばあさん、あとは若めの女性2人組といった感じだ。

、、、。

この女性2人組、なんか怪しい。まず海遊びの格好ではない。そして海を見ていない。岩場あたりを凝視している。完全に石の人だ。あんな岩場で貝殻やシーグラスは見つけられない。石を探しているに違いない。

だが、人の観察をしている場合ではない。せっかくの新天地、暑いし集中力もそんなに持ちそうにないので、早速石を拾う。

コロコロー
石コロー
コロー

千葉県太海の海岸 石拾い

うーん、この海岸、駐車場ではない。ないのだが、どうもいまいちぱっとしない。全体的に暗めでくすんだ印象の石たち。きれいな色、形、様々な石ころたちがころがる、石拾いの理想の海岸とはほど遠い。

しかしサラブレッドKは熱心に石を拾う。Kは僕と行く意外、石拾いをほぼしていないので新鮮なのだろう。

対して僕は石を拾いすぎた。それも短期間に急いで拾いすぎた。デザイナーEに触発され、TADAを開眼させ、サラブレッドKや384のポテンシャルに危機感を感じながら、焦り、様々な海岸で石を貪欲に拾いすぎた。そのうちに、石と向き合う純粋な気持ちはどんどん削がれていったのではないか。
海岸に石があるのが当たり前になり、そして、伊豆、新潟、青森といった、変化に富んだ石に目がなれてしまって、普通っぽい石ころに魅力を見いだせなくなっていた。
このままいくと「何気ない石ころから心象風景を見いだす」という石拾いの神髄を忘れてしまう。これでは青森の錦石のみを追い続ける錦石の人となってしまう。
そして、いつもこのようなことを考えてしまう、負の石スパイラル。

また一つサラブレッドKから学んだ。邪心を取り払い、無心でもくもくと拾う、その姿勢。この海岸にもすばらしい石は必ずあるはずだ。
渡辺一夫先生は、すべての石が面白く、すばらしく美しい自然の産物だと仰っていた。(気がする)


コロコロ
コロコロコロ〜


二人でもくもくと石を拾っていると、一人おばあさんが話しかけてきた。「石拾っているのかい?」
いかにも。石を拾っている。
「研究かなにかかね、偉いね。」
大学の研究員が、海岸の漂着物や鉱物など、サンプルを採取しに来ていると勘違いしているようだ。

おばあさん続ける。「あそこに女の子二人いるでしょう。」

ええ。

「あの子たちは砂金を探していると言っていたよ。」

さ、砂金だと!?

「昔は採れたみたいだけど、今はほとんど採れないよ。」


なるほど。そんな物を探しにきていたのか。砂金となれば、当然すぐに採られてなくなってしまうだろう。
瑪瑙や翡翠など、みんなが欲しくなるような綺麗な石も、ほとんど乱獲され残っていない。

隠された聖地福井の海岸も、以前は少し歩けば、そこそこ大振りな瑪瑙が結構拾えたのだが、石に祝福された男TADAによって乱獲されてしまった。

TADAは拾った石を、場所と日付を書いたケースに入れて保管している。
この間、家にお邪魔した時にそれらのコレクションを見せてもらったのだが、明らかに拾い始めの頃と比べて、最近のケースには瑪瑙が少ない。
瑪瑙に慣れてしまって、ちょっとやそっとでは、拾わなくなったこともあるのだろうが、圧倒的に瑪瑙の数が少なくなっている。サイズもどんどん小ぶりになっている。
TADAは否定しているが、これは、まぎれも無くTADAの乱獲が原因である。(思い込み)

ああ、どうやら僕は石の鬼を生み出してしまったらしい、、。

話がそれた。
また集中して石拾いを開始。
サラブレッドKに負けるわけにはいかない。負けるって何。

コロコロコロー
コロコロコロー
コロー

千葉県太海の海岸 石拾い


千葉県太海の海岸 石拾い

さらさらと触り心地の良い密度のある石、ビキビキいい感じにひびの入った石、不思議な模様の石。だんだん、この海岸のいい石が見つかるようになってきた。

コロコロコロー
コロコロコロー
コロー

石拾いこれにて終了。




海で拾った石|千葉県太海の海岸

千葉県太海の海岸 石拾い

拾った石は、こんな感じ。

千葉県太海の海岸 石拾い

寄りのカット。

千葉県太海の海岸 石拾い


この石なんか、結構いい。さらさらで密度が高く、何やら少し高貴な印象の模様。

千葉県太海の海岸 石拾い

これも同じタイプの石かな。

千葉県太海の海岸 石拾い

ビキビキのひびが、かっこいいやつ。

サラブレッドKよ。今回は、一体どんな石世界を見い出していたのだ。東京に帰り、K宅で見せてもらうとしよう。 

千葉県太海の海岸 石拾い

帰り道で見つけた、寂しい空き地。こういうの嫌いじゃない。

千葉県太海の海岸 石拾い

東京行きの電車から見えた、謎の巨像。こういうのも嫌いじゃない。
たしか、「いい感じの石ころを拾いに」の宮田珠己先生が巨仏に関心があると、どこかで読んだ気がする。これまた石の人の共通点なのだろうか。 

東京に着き、居酒屋で一杯呑んで、K宅で石を確認。

千葉県太海の海岸 石拾い

ふーむ、、。一番上の、真ん中の石がおもしろい。巻貝のようで歪な形。でも、その下の平べったい石が一番良かったかな。触り心地さらさらで、密度が高いやつ。
こういう石は、写真では良さが全く伝わらない。色んな角度から見て、触って、初めて分かる存在感。

まあ、どうやら今回は僕の勝ちのようだ。(勝ちって何)
へっへ。


次回、思い出二十八は、
サラブレッドK、384と茨城へ石拾い。青森以来の三人組。




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石の人について

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