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石拾いの旅|神奈川県の海岸
2016年5月6日。
青森での石拾いを終え、その後384の家で一泊して名古屋へ帰る予定だったのだが、あることを思いついてしまう。
帰路の途中、神奈川や静岡で石拾いが出来るのではないか?
しかし、TADAと行く二日間の福井での石拾い、東京デザイナーK&Sと行く二日間の青森での石拾いと、立て続けに石を拾っている。僕のリュックには、青森の石とおみやげ、4泊分の荷物が詰まっている。かなりずっしりきている。亀仙人の修行のようだ。
だが、ここまできたらとことんやってしまえと、拾うことにした。目星をつけた石拾いスポットは、神奈川県の浜と、二度目の挑戦、静岡県菖蒲沢海岸。石の聖地だが、一度目の当時は石拾い初心者だったので、うまくいい石を拾えずに終わっている。今度こそは納得のいく石拾いがしたいところだ。
そんなわけで、気持ち良さそうに寝る384に別れを告げ、いざ出発。東京駅よりJR普通列車に乗り、浜を目指す。
初めての神奈川で石拾い。渡辺先生の本を見る限り、おおよそ普通の石が落ちているようだ。
浜は、相模湾奥に伸びる海岸線の中央あたりに位置する海岸で、最寄り駅から歩いてすぐの場所にある。電車での石拾いなので、駅近の海岸は非常に助かる。
駅に到着して海岸方面へしばらく歩くとトンネルが。なんだかわくわくする演出じゃないか。
トンネルを抜けると、
目の前に広がる海。風が気持ちがいい。
散々海を見てきた後ではあるが、初めて訪れる海はやっぱりいい。
今日はこのあと菖蒲沢も行くので、あまりゆっくりしていられない。
さっそく石拾いを始めますか。
ここ数日TADAやK&Sと一緒に石拾いをしていたので、一人の石拾いに少し寂しさを感じる。
しかし、それもまた悪くない。
福岡社員旅行の石拾いのように大人数でイベント的に拾うのもいいし、2、3人で楽しく拾うのもいいが、少々孤独を感じながら無心で拾う石拾いこそが、真骨頂。聞こえてくるのは海の音、石の音。鳥の声。
それにしても、、。
なんて地味な石なんだ、、。
ピ、、ピピ!石スポットレベル2!う〜ん!僕の石センサーがしょんぼりしている。
この日記始まって以来の没個性な石達。駐車場の石みたいだ、、!
この日記始まって以来の没個性な石達。駐車場の石みたいだ、、!
この辺りから僕は、全体的にあまりにもグレーで、形も模様も触り心地も代わり映えのしない石の群れを、「駐車場」と呼ぶようになってしまった。
この日記を見ている方も、この海岸で石拾いしたいなんて全く思わないだろう。
前日に、青森の魅力的な錦石を目の当たりにしてきた後のこれなのだ。はっきり言って拾う気なんて起こるはずが無い。拾うのをやめてぼーっと海でも眺めて、10分もしたら、そろそろ帰りますか、、。と足が勝手に駅の方へ向かって行くだろう。
前日に、青森の魅力的な錦石を目の当たりにしてきた後のこれなのだ。はっきり言って拾う気なんて起こるはずが無い。拾うのをやめてぼーっと海でも眺めて、10分もしたら、そろそろ帰りますか、、。と足が勝手に駅の方へ向かって行くだろう。
しかし忘れないでほしい。僕が、限りなく石聖に近い存在である事を。(病気)
駐車場な石の群れからもそれぞれの趣を感じ取り、様々な心象風景を見いだすに違いない。
僕はもくもくと拾い始めるのである。
僕はもくもくと拾い始めるのである。
コロコロコロー。
むむむむ、
ふ、普通だ、、。
コロコロコロー!
コロコロコロー!
ふ、普通だ、、。
コロコロコロー!
コロコロコロー!
それにしてもこの海岸、釣り人が多いようだ。石の人にとって、釣り人が多いというのは少し厄介なのだ。
波打ち際に等間隔に座って釣りをたしなむ人々。石拾いは、波打ち際で拾いたいもの。釣り人を避けながらジグザグ歩くことになる。さらには釣り人は魚にしか興味がないから、(言い方失礼)あいつ一体この海に何しに来ているんだ、、?散歩ってわけでもなさそうだし、、。ってな感じで不思議そうにしている。散歩なら海を眺める。ファミリーなら子供と磯遊びをしている。釣りはヒットするまで基本待ちの状態で、海や周りを眺めてやり過ごしている。そんな時に動機が明らかに普通じゃない僕がいる。こちらに視線がバシバシあたってくる。
まあそんなこと気にしていても仕方ないと、またもくもくと拾う。
小一時間が過ぎ、とくに何も起きることなく石拾い終了。
平常心。無。これが真の石拾いの形なのか?と自分に言聞かせながら駅へ戻る。
そして何事も無かったかのように電車に乗り込み、次の石スポットに向かうのであった。
海で拾った石|神奈川県の海岸
拾った石はこんな感じ。
寄りのカット。
んんん?意外と悪くない。むしろ良い。
そして真ん中あたりにある、鯖のような石。緑からベージュへのグラデーションが実に美しい。後に周りの人々に披露するのだが、なかなかの人気っぷり。
しかしこんな鯖の切り身みたいな石を拾ってしまうなんて、釣り人の見えない圧力がそうさせたのか。だったら感謝しなくては。邪魔とか言ってごめんなさい。
次回思い出その十七は、帰路の石拾い、ちょっと寄り道。
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