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石の人
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石拾いの旅|三重県の海岸
2016年7月10日。
みなさんは覚えているだろうか?
この石日記で唯一の石敵キャラ、石悪、鬼。
僕の地元である三重県の民、マシューだ。
この石日記では、お馴染みのTADA、サラブレッドKや384と、次々に石の魅力に気づき、彼らが石の人になって行く様が記されている。
しかし、マシューだけは違った。石にまったく興味を示さない。いや、それだけではない、石を完全に愚弄しているのだ。
今でも忘れない、天竜川河口へマシューと石を拾いに行った際、車の中で交わされた会話。僕は耳を疑った。
仕事で、訪問先のおじいさんが集めている、石のコレクションの一つをもらったらしいのだが、その石をどうして良いか分からず、会社の駐車場にそっと置いてきたと言うのだ。
仕事で、訪問先のおじいさんが集めている、石のコレクションの一つをもらったらしいのだが、その石をどうして良いか分からず、会社の駐車場にそっと置いてきたと言うのだ。
その石こそが、鑑賞石であり自然芸術の最高峰、水石であり、それを事もあろうに駐車場に放置するという愚行にでたマシュー。この世の鬼はここにおった。
マシューは、幼稚園からの同級生である。今も定期的に会っている。性格や趣味趣向も大体把握したつもりだった。その上で、マシューは石拾いを受け入れると確信して誘ったのだ。
しかしそれが悲しい結果を招いてしまった。天竜川に着き、石拾いを始めても、まったく石に興味を示さないマシュー。海の写真は撮っても、石の写真は一切撮らない。拾うどころか、石を蹴り散らすマシュー。
いや、それが普通なのかもしれない。我々人類にとって何のメリットにもならない、ただの石ころに関心を示すことが、イレギュラーなことなのかもしれない。石拾いを初めて2年あまり。最初は変わった趣味だと自覚していた僕も、今では完全に麻痺してごく当たり前の事だと錯覚していたのだ。
いや、それが普通なのかもしれない。我々人類にとって何のメリットにもならない、ただの石ころに関心を示すことが、イレギュラーなことなのかもしれない。石拾いを初めて2年あまり。最初は変わった趣味だと自覚していた僕も、今では完全に麻痺してごく当たり前の事だと錯覚していたのだ。
行き先は、三重県熊野市七里御浜。
マシューの家は三重北部で、相当南下することになる。石に興味もないのに、よくこんな場所まで連れて行ってくれるなあ、と思うのだが、マシューも海は普通に好きなのだ。彼に限らずだいたいそうなのだが。
早速マシューが車を走らせる!
なかなかの走行距離だ。
ブーンブーンブーン!
走行中、石の魅力を伝えようと頑張ってみるが、相変わらず、まったく興味を示さないマシュー。諦めて小学校の思い出話でもしていたら、着いた。
同じような石が無数に転がっている、。
そして名の通り永遠続く海岸、、青森の七里長浜もそうだったが、あちらは砂浜ベースにころころ転がる石たち。こちらは海岸を埋め尽くす石!石!石!これはまたしても駐車場か、、。と思った瞬間!
そして名の通り永遠続く海岸、、青森の七里長浜もそうだったが、あちらは砂浜ベースにころころ転がる石たち。こちらは海岸を埋め尽くす石!石!石!これはまたしても駐車場か、、。と思った瞬間!
ま、まてよ、、。色は一見全てグレーだが、違う!違うじゃないかマシュー!
1つ1つ石を手に取り見てみると、実によく磨かれていてスベスベだ。また、ずっしりと重く、密度が高い。そしてなによりその模様だ。基本色はモノトーンなのだがその中に様々なうねりや、滲み、グラデーションが織り成す美。
気になり後ほどネットで調べて見たのだが、七里御浜の石は御浜小石と呼ばれ、碁石(那智黒)や装飾建材に使用されていたらしい。
青森の錦石と比べると面白みや個性に欠ける部分はあるのだが、両者には全く違う石の趣がある。これはついに青森の壁を全く気にせず石拾いのできる海岸を見つけたのではないだろうか。
荒波でよく磨かれているため、波内際の石達はきらきらと輝く。
荒波でよく磨かれているため、波内際の石達はきらきらと輝く。
と、いきなりテンションが上がりきったところで、マシューは一体どんな反応を示しているのだろうか。恐る恐るマシューの方を見て見た。
iphoneで海をパシャパシャ撮ってなにやらSNSにアップしている模様。
ま、、、まあ綺麗な海だからね!たしかに、まずは海を眺めて堪能してから石を拾い始めるのも悪くないね!
気を取り直し、石拾いを再開。
15分ほど拾っただろうか、またマシューの方を見てみると、、。
座ってぼーっとしていて、美しい石には全く興味を示していない。え、、、今日、石を拾いに、、来たんだよね?
天竜川の悪夢が蘇る。やはりマシューに石の良さを理解させようと思う事自体、間違いなのだろうか。
天竜川の悪夢が蘇る。やはりマシューに石の良さを理解させようと思う事自体、間違いなのだろうか。
突然、ざっ!と立ち上がるマシュー。そして徐ろに石を拾い始めたではないか!
マシュー!ハラハラさせるぜ!やっぱり石を拾いたかったんじゃないか!そうだよな!こんな美しい石だらけの海岸で1つも石を拾わないなんて、ありえないよな!
マシュー!ハラハラさせるぜ!やっぱり石を拾いたかったんじゃないか!そうだよな!こんな美しい石だらけの海岸で1つも石を拾わないなんて、ありえないよな!
ひょいと石を拾うマシュー。
ぽいと石をすてる。
またひょいと石を拾う。
ぽいと捨てる。
ひょいひょいひょい。
ぽいぽいぽい。
ひょいひょいぽいぽいひょいぽいひょいぽぽい。
さてはおまえ石を拾う気ないな。ただ石を投げて遊んでいるだけだな。ああ、やはりマシューに石拾いの良さは全く伝わっていない。
それでも時々、拾った石を捨てる前に僕に見せてくる。これどう?と。そこそこ良かったりもするので、なかなかいいじゃんそれ!と言うと、はい。と僕に石を渡してくる。
なぜ、、なぜなんだ。自分の石コレクションにしなさいよ、、。そんなに石を所有するのが嫌なのか、マシューよ、、、。いやそれが普通か、、。
これにて石拾い終了。
海で拾った石|三重県の海岸
拾った石はこんな感じ。
寄りのカット。
紙が焼けたような石。
今回の1位。筆で描いたような模様。
白い線はよく見かけるが、黒い線は珍しい。
マッコウクジラみたい。
とても繊細な線の重なり。日本の抽象画のよう。
亀の甲のよう。すごい存在感。
水墨画のよう。滲みが美しい。
紙が焼けたような石。
今回の1位。筆で描いたような模様。
白い線はよく見かけるが、黒い線は珍しい。
マッコウクジラみたい。
とても繊細な線の重なり。日本の抽象画のよう。
亀の甲のよう。すごい存在感。
水墨画のよう。滲みが美しい。
以上。
今回は大きな収穫があった。美しい石達との出会い、青森の壁問題解決への一歩前進。
しかしマシューは石に無関心のままだった。また一緒に石拾いに行く日は来るのだろうか、、、。
しかしマシューは石に無関心のままだった。また一緒に石拾いに行く日は来るのだろうか、、、。
次回思い出その二十五は、
久々の石一人旅。静岡県の海岸。
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石の人について
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(2022 10/3)
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